1990年代前半に発表された名作「東京BABYLON」
アラフォー世代には懐かしく、令和を生きる若者には新鮮な作品です。
あらすじ内容が知りたいな
結末はバッドエンドと聞いたけど本当?
今回の記事では、CLAMP先生のレジェンド作品「東京BABYLON」についてアツく語ります。
【東京BABYLON】はCLAMPの名作!
東京BABYLONは、20世紀末の名作と言っても過言ではありません。
作者のCLAMPといえば、「カードキャプラーさくら」や「ツバサ」「XXXHORIC」など大人気作品の生みの親として有名ですが、東京BABYLONはこれらの作品を生み出す以前の1990年~1993年に執筆されています。
当時まだ「中二病」という言葉が市民権を得ていなかった時代に、「陰陽師」という中二病全開(いい意味で)のキャラ設定と、「東京」という現実的な舞台とのギャップにやられた思春期少年少女が続出しました。(私もその一人です)
設定がカッコいいのもさることながら、東京BABYLONは絵がキレイ。
色使いやキャラデザ、小物や技の表現などが細やかに描写されていて、写実過ぎず子供っぽくないそのイラストに魅せられ模写やトレースした少年少女はたくさんいたはずです。
そして驚くべきことに、1990年代前半に描かれたはずの内容が、令和の現代でも古さをあまり感じず普通に通用する内容が盛沢山であることです。
扱っている内容が、東京という大都市の「闇」の部分が多いからというのも要因の一つでしょう。
当時ハマった人はもちろん、今を生きる若い世代が読んでも面白い作品、それが東京BABYLONです。
【東京BABYLON】ネタバレ!主人公の昴流はどんなキャラか
東京BABYLONの概要をアツくご紹介したところで、次は主人公について少しネタバレしたいと思います。
東京BABYLONの主人公は皇昴流。
16歳の現役男子高校生です。
そして、日本を代表する陰陽師「皇家」13代当主です。
皇家は代々、目に見えない脅威から日本を守ってきた由緒正しきお家です。
昴流は当主として、日夜東京で発生する霊的な事例を解決して回る陰陽師なのです。
心優しく純粋な性格の昴流は、その優しさゆえに、他人と自分との境界線が薄いため、たびたび他者の感情に支配されがちです。
傷つきながらも日々成長していく昴流を、最終的に待ち受ける結末は、高校生の彼にはあまりにも重く悲しいものでした。
【東京BABYLON】あらすじ内容をネタバレ!
主人公昴流のことをネタバレしたところで、続いては東京BABYLONのあらすじ内容を少しネタバレしますね。
起承転結方式なので、内容を全く知らないあなたにも、はるか昔に読んでそれっきりのあなたにも、分かりやすくなっていると思います。
起:出会いは突然?
皇昴流は、家業である陰陽師業で日々いろんな事件と関わっていきます。
そんな中で出会ったのが獣医師:桜塚星史郎でした。
昴流と星史郎、そして昴流の姉である北都とともに、各地で起こる霊的な事件を解決していきます。
承:深まる関係
穏やかな性格をみせる桜塚星史郎は、ことあるごとに昴流へ本気かどうかわからない感じで求愛表現をします。
それを応援する(ちゃかす)ような姉の北都と昴流、星史郎の三人は、数々の事件を共に乗り越えながら関係を深めていきます。
昴流がピンチの時は星史郎はそれを助け、傷ついたときはそれを癒す。
自分自身に感心が薄い昴流も、少しずつ星史郎に心を許していき、いつしか無くてはならない存在なのだと気づきます。
かたや星史郎はというと、時折見せるダークな部分や、苗字である「桜塚」が「皇」と双璧をになう陰陽師の一家で、暗殺集団ではないかという疑いを深く濃くさせていきます。
転:明かされた真実
昴流が星史郎が自分にとって「特別」な人であると気づいてしまったとき、過去の記憶が明らかになります。
実は昴流と星史郎は過去に出会っているのでした。
暗殺集団「桜塚護」の仕事中に人を殺めている所を、当時9歳の昴流に見られたのです。
そこで星史郎は昴流へ一方的な賭けをし昴流の記憶を消すのです。
賭けの概要はこうです。
「星史郎と昴流がまた出会えたら、1年一緒に過ごす。その間に星史郎は昴流を「特別」「好き」になる努力をする。1年たったときに昴流を「特別」になっていたら殺さない」
星史郎が1年かけて昴流と接していくうちに、昴流のことを「好き」になったら昴流の勝ち、そうじゃなかったら昴流の負けという一方的な賭けでした。
そのことを強制的に思い出された昴流は精神的にひどく傷つき、自分の殻に閉じこもってしまいます。
【東京BABYLON】ネタバレ!結末はバッドエンド!?
起・承・転・と目まぐるしくご紹介してきました。
残るは「結」ですが、勘の良いアナタは薄々感じているように、東京BABYLONの「結末」は、平たく言って「バッドエンド」です。
では、その結末を少しネタバレしますね。
傷つき自分の殻に閉じこもった昴流。
まるで廃人のようです。
生まれて初めて、他人を「特別」と思い慈しむことができた。
その「特別」である星史郎にこれでもかというぐらい裏切られて心は傷つきボロボロです。
そんな弟の姿をみて、姉の北都はとても後悔します。
昴流のことを想って、昴流に「特別」な存在を作ってほしくて、星史郎を昴流へ近づけたのは北都でした。
まさかここまでひどいことをされるとは想定外です。
そして、過去に桜塚護の暗殺現場を見た者は類漏れず殺されます。
昴流も例外なく星史郎が殺しに来るはずです。
北都はそれを止めるべく、単身星史郎へ挑むため「皇家」を出てしまいます。
そこからしばらく、北都は消息不明に。
北都は星史郎に立ち向かい、そして返り討ちにあっていました。
そのことを知った昴流は正気に戻り、そして姉の死を悲しみます。
同時に、星史郎は自分が殺すと覚悟を決めるのです。
まとめ
「東京BABYLON」はレジェンド漫画家集団CLAMP大先生が1990年代前半に描いた名作です。
主人公である陰陽師の昴流は、その力で東京にはびこる霊的な現象と関わっていくうちに特別な感情を持つようになります。
結果、東京BABYLONはバッドエンドで幕を下ろしますが、後日譚のような位置づけで、これまたCLAMP先生の未完の名作「X」にて昴流と星史郎が登場し、この戦いは終結を迎えることとなるのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。