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映画ハミングバード・プロジェクトの原作本は?違いや実話かどうかについても

映画「ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち」は、実話が元になっている映画です。

今回は、映画の原作となった本についてや、映画と原作本の違いについて深掘りしていきたいと思います。

映画ハミングバード・プロジェクトの原作本と実話

映画ハミングバード・プロジェクトの原作となっている本は、マイケル・ルイス著書の「フラッシュ・ボーイズ10億分の1の男たち」です。

「フラッシュ・ボーイズ10億分の1の男たち」は、2007年に認識された、株取引の不平な現象について書かれた本であり、2014年に出版されました。

「フラッシュ・ボーイズ10億分の1の男たち」の内容

ウォール街での取引証券は、2008年に人の手から電子取引へと発展しました。

日系カナダ人のトレーダーである、ブラッド・カツヤマは、「株の売買」を確定した瞬間に、売り株が消えてなくなったり、一瞬で株の売値が高騰して損をすることになるという現象に気がつきます。

この不思議な現象についてリサーチを始めたブラッドは、銀行や株取引市場などの金融業界が、コンピューターのアルゴリズムに支配されていることを見つけだすのでした。

 

「公正、公平」だと認識されている金融業界でしたが、10億分の1という凄まじいスピードの中で、超高速取引業者が取引の先回りをして莫大な利益を得ています。

また、ある人々、特に、一般投資家は、10億分の1という遅れの中で、大金を失います。

しかし、テクノロジーの進化に追いつくことができていない法律は、超高頻度業者を取り締まることができないのでした。 

 

こうした事態を露にする原作本「フラッシュ・ボーイズ10億分の1の男たち」が公開されると、米国司法長官はトレード業界の調査を始めたと言われています。

 

ブラッドは、法律も咎めることができない超高頻度業者の実態を知ると、証券取引に正常さと公平さを取り戻そうと、会社を辞めます。

そして、まともな証券取引所を立ち上げる挑戦へ挑むのでした。

ブラッドは、実際に「IEX」という公平で安全な証券取引所を設立しています。

 

原作本「フラッシュ・ボーイズ10億分の1の男たち」には、日本の証券取引がどういった状況にあるかということにも触れており、東京証券取引所も大阪証券取引所もニューヨークと同じような様相を示しだしているらしいとのことです。

映画ハミングバード・プロジェクトの原作本と映画の違い

映画「ハミングバード・プロジェクト」と原作本「フラッシュ・ボーイズ10億分の1の男たち」の違いは、「視点」です。

原作本は、株取引・金融業界を不公平で異常なものとしている超高頻度業者に異論を唱え、 株取引を、往来の公平で安全なものにするべきだという視点を持つブラッドの視点から書かれています。

それに比べて、映画「ハミングバード・プロジェクト」は、超高頻度取引を行うという発想は天才的だ、という超高頻度業者の視点から制作されています。

 

その為、原作本と映画の両方を見ると、現実的な金融業界の問題を、2つの視野から知ることができます。

 

私は、原作本を知らずに、映画を先に見ましたが、映画を見ただけでは、カンザスとミューヨークを光で繋ぐという高頻度業者の工事に携わる男性2人を見て、何も悪いとは思いませんでした。

むしろ、「野望を胸に生きる天才たちだ!」と素直に思ってしまいました。

 

しかし、原作本を見てみると、高頻度業者の問題が明らかになり、「この世界(金融業界)は狂っている」と驚愕しました。

確かに、映画「ハミングバード・プロジェクト」の中にも、金融業界で働く人々の狂った様子が描かれていました。

 

株取引を操っているのは、もはや、人間ではなく、コンピューターとアルゴリズムなのです。

10億分の1のスピードを、私たち人間が感知して把握できる訳がないのです。

金融業界は、すでにコンピューターに乗っ取られているととらえても大げさではないのではないでしょうか?

 

金融業界のシステムを知っている人々と、「コンピューターだから公平なはずだ」と安心しきって何も知らない人々の間に、「公平」は存在していないのではないかと思います。

現在、金融業界を操るコンピューター・アルゴリズムをどのように裁断するのか、まだ決着はついていない様子です。

金融業界の真相以上に、私たちが気がつかなければいけないこの世界の在り方に、私たち人間が気がつく時が近づいているのではないかと私は思います。


フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
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