映画が大ヒットしている新海誠監督ですが、新海誠監督は映画監督という顔を持ちながら、小説家という肩書も持っています。
今回は、新海誠監督が執筆した小説や、他の著者が執筆した新海誠監督原作の小説、また、新海誠監督がイラストを担当した小説など、新海誠監督が携わった全ての小説を、あらすじも含めてランキング形式でまとめてみました。
新海誠監督の小説
新海誠監督は、映画監督でありながら、小説家でもあることで知られていますが、原作となる映画を自身で公開した後に、自身で小説を出版したり、新海誠監督が映画を公開した後に、他の著者によって小説が出版されたりしています。
また、原作は新海誠監督本人でないけれども、イラストを担当している小説なんかもあります。
今回は、新海誠監督が携わっている小説の全てをまとめてみました。
新海誠監督が執筆している小説おすすめランキング一覧
新海誠監督が執筆している小説は、全部で4作品あります。
1位:天気の子(2019年)
天気の子は、映画が公開となる2019年7月19日の前日に、小説版が発売されますが、前作「君の名は。」の人気が爆発したことから、かなり注目を集めている作品です。
販売部数も「君の名は。」を上回るのではないかと予想しております。
小説 天気の子 (角川文庫)
あらすじ
森嶋帆高は、家出をして東京に1人出てきますが、雨空を晴れ空に変えることができるという100%晴れ女の天野陽菜に出会います。
陽菜は、天気を変えられるという自分の能力を使ってサービスを始めますが、それが2人の運命を脅かすこととなってしまいます。
2位:君の名は。(2016年)
小説「君の名は。」は、映画が公開された同年の2016年に出版されていますが、アニメ作品原作本としては初の快挙となる「100万部突破」と「年間1位」を達成しています。
小説 君の名は。 (角川文庫)
あらすじ
瀧と三葉は、東京と岐阜に住む高校生です。
2人は、あることをきっかけに意識が入れ替わってしまうということを何度も経験するようになります。
意識が入れ替わると、前の体の時の記憶は忘れてしまうので、2人はお互いの為にスマホにメモを残すようになります。
しかし、その後意識の入れ替わりが起こらなくなり、寂しくなった瀧は、三葉に直接会いに行くようになりますが、三葉はいなくなっており、瀧は光葉を救う為にある仕事をするのでした。
映画と小説の違い
他の小説と同様、小説の方が映画よりも詳しく状況が説明されています。
さらに、小説の方は、瀧と三葉の視点から書かれているので、2人の心情がより細かく描写されています。
3位:秒速5センチメートル(2012年)
2007年に、映画「秒速5センチメートル」が公開されていますが、小説版は、その映画の補足という形で、2012年に出版され、10万部を売り上げました。
小説 秒速5センチメートル (角川文庫)
〈あらすじ〉
東京の小学校に転校してきた貴樹と、同じように転校してきた明里は、共通点があることで気持ちが通じ合い、明里は貴樹に「桜の花びらが舞い落ちる速度が秒速5センチメートル」であることを教えます。
その後、2人はまた親の都合で転校することになりますが、文通をすることになり、中学生になった時、再会して2人はキスをします。
しかし、その後も一緒になれることはありませんでした。
高校生になった貴樹は、花苗という女の子に好意を持たれるようになります。
花苗とは仲の良い貴樹でしたが、明里のことをいつも思っており、花苗を恋愛の対照とは見ていません。
花苗は、貴樹に告白をしようと自分磨きに励むのですが、貴樹の想いが自分に向いていないことに気がつき、切ない思いをします。
社会人になった貴樹は、東京で働いていますが、具体的な人生の目標もなく、何となく付き合っていた彼女にもフラれてしまいます。
一方、明里も東京で生活していましたが、既に婚約者がいるのでした。
同じ東京という地で暮らす貴樹と明里でしたが、貴樹の人生は暗いもので、明里の人生は幸せなものになっています。
小学校で心を通わせ合うという共通点があった二人が、全く異なる人生を歩み、共通点が全くなくなるという切ないエンディングを迎えるのでした。
小説と映画の違い
小説と映画の違いは、小説の方が状況を詳しく説明されているという点です。
さらに、映画の最後では、貴樹が初恋から前進することができたのか、できなかったのか、微妙な描写となっていますが、小説では、初恋を過去のものとすることができた、微笑む貴樹の様子が描かれています。
4位:言の葉の庭(2014年)
小説版の「言の葉の庭」は、映画が公開された翌年の2014年に出版されました。
小説 言の葉の庭 (角川文庫)
あらすじ
主人公は、高校生の男の子・タカオ。
雨の日は学校の1時間目をさぼり、梅雨の時期には学校に行かないという高校生です。
そして、タカオが仲良くなる女性は、タカオの高校の先生・ユキノ。
ユキノは、高校で教師イジメを受け、チョコレートとビールを公園で食すのが日課です。
タカオは、学校にはあまり行かないし、興味がないので、ユキノが自分の学校の先生であることには気がつかず、お弁当を作ってあげたりします。
さらに、うまく歩けないというユキノの為に、タカオは靴を作るようになります。
その後、学校に行きたくないタカオと、学校が恐怖で行けなくなったユキノは、学校内で再会し、タカオはユキノが先生だったことを知ります。
そして、クラスメートにユキノに嫌がらせをしていた生徒を聞き出すと、仇(かたき)を討ちに行きます。
お互いに心の支えとなっていたユキノとタカオでしたが、教師と生徒という立場上、先に進むことができません。
その後ユキノは、学校を変えて新しい教師生活を始め、タカオはいつか会いに行こうと心に決めるのでした。
映画と小説の違い
映画版の「言の葉の庭」では、うまく歩くことができなくなったユキノの為に、タカオが靴を作り、2人の関係は発展せずに終わっていますが、小説版の方では、その後2人がどうなるのかについて、物語が加えられています。
また、小説版の方は、物語に登場する登場人物たちの様々な視点が取り入れられて、物語の世界観が膨らんでいます。
新海誠監督が携わった他のおすすめ小説ランキング一覧
新海誠監督は、基本的に、原作を元に小説を制作していますが、時には、他の著者が新海誠監督の原作を小説に執筆することもあります。
また、新海誠監督は、他の作家が執筆した、新海誠監督の作品が原作となっていない小説のイラストを担当したこともあります。
5位:ほしのこえ(2016年)
「ほしのこえ」という作品は、映画が2002年に新海誠監督の手によって公開されていますが、その後2016年に、小説版が大場惑氏によって執筆・出版されました。
しかし、イラストは、新海誠監督が担当しています。
小説 ほしのこえ (角川文庫)
あらすじ
「ほしのこえ」の舞台は、2046年の未来。
中学3年生の少女・ミカコと、青年・ノボルは恋に落ち、同じ高校に進学を考えていましたが、ミカコは、国連宇宙軍選抜メンバーに選ばれ、火星で調査を行うことになります。
そこで、ミカコとノボルは、地球と火星という距離の遠距離恋愛をすることになるのでした。
2人はメールでやり取りをしていますが、距離が距離なだけに、メールの受信が遅れ、ついには1年以上もメールが届かないという事態になってしまいます。
そして、ミカコは、宇宙で起こった事件の為に、地球に帰ってくることができなくなってしまいます。
辛い感情を感じない為に、ノボルは自分の心を「硬く冷たく強くする」ことを決意するのでした。
6位:彼女と彼女の猫(2013年)
「彼女と彼女の猫」という作品は、1999年(2000年とも言われている)に新海誠監督が制作した、5分弱のモノクロ自主制作アニメを、永川成基氏が2013年に書いて出版した小説です。
その後、2016年には、坂本一也監督によって、短編映画が再編集されていますが、原作は新海誠監督の作品です。
猫の視点から世界を見るという新海誠監督の視点が面白い作品です。
彼女と彼女の猫
あらすじ
主人公は、チョビという猫(新海誠監督本人)。
猫からの目線で物語が描かれています。
チョビは、1人暮らしをしている女子大生と一緒に住んでいますが、女子大生は失恋をした模様。
チョビの猫としての生活も描かれつつ、飼い主の女子大生の人生も描かれているお話です。
7位:雲のむこう、約束の場所(2006年)
2004年に、「雲のむこう、約束の場所」という新海誠監督の映画が公開された後に、加納新太氏の執筆によって小説が出版されました。
新海誠監督は、小説のイラストを担当しています。
小説 雲のむこう、約束の場所 (角川文庫)
あらすじ
物語の舞台は、1996年の青森です。
主人公のヒロキは中学3年生で、サユリという女の子に恋い焦がれています。
それから3年後、日本の青森より下を支配していたアメリカは、北海道を支配していたユニオンという共産国家群と戦争を起こすことになります。
サユリという女の子は不思議な女の子で、ユニオンが所有している未来予測装置である塔を制御することができます。
しかし、莫大な情報量を抑制しているサユリは、引き換えに15歳で深い眠りについてしまいます。
眠りから目覚めることなく、15歳から成長することもほとんどありません。
サユリがこのまま眠り続けて、ユニオンの兵器となっている塔を制御し続ければ、世界は破壊されずに済みます。
しかし、サユリが眠りから覚め、ユニオンの兵器を制御できなくなってしまえば、宇宙は破壊してしまうのでした。
ヒロキは、ユニオンの塔を破壊し、サユリの目を覚ますことに成功します。
しかし、サユリは大切な記憶を失くしてしまっているのでした。
8位:きみを守るためにぼくは夢をみる(2003年)
「きみを守るためにぼくは夢をみる」という作品は、2003年に白倉由美著書によって出版された小説です。
新海誠監督は、この作品の映画は作っておらず、単純にイラストだけを担当したようですが、話の内容が少しだけ「雲のむこう、約束の場所」に似ているところがあります。
しかし、小説「きみを守るためにぼくは夢をみる」は、新海誠監督が執筆した物語ではありません。
きみを守るためにぼくは夢をみる
あらすじ
小学校4年生の朔は、ある夏の日に同級生の砂緒とプールに一緒に行きます。
その帰り道、不思議な声に誘われて眠たくなってしまう朔は、公園のベンチで眠ってしまうのですが、目を覚ました時には7年の月日が経っていたことに気がつきます。
同級生の砂緒は、17歳になっているのでした。
まとめ
素敵な世界観を持つ新海誠監督の小説は、想像をさらに膨らませることができる、素敵な小説なのでした。