ライオンキング2に登場するスカーには、息子のライオンが登場しますが、コブが実の子なのか、ヌカが実の子なのか、ビタニはどういう設定で、ジラとは結婚しているのかなど、複雑な家族関係になっています。
今回はスカーの息子やジラとの事情について深掘りしてみたいと思います。
「ライオンキング」のコブはスカーの息子
ライオンキング2では、コブという子ライオンがスカーの息子として物語に登場しています。
ディズニーは、親子関係を表明する際に、目の色を統一するという手をよく使いますが、スカーの目とコブの目は、黄色と緑という特徴的な色をしており、親子関係にあることが簡単に想起されます。
スカー↓
コブ↓
さらに、左目の傷も同じようについているので、スカーとコブが親子関係にあることは簡単に理解できるでしょう。
しかし、現在は、コブはスカーの実の子ではないという設定に変更されています。
現在は、コブはスカーの養子という設定になっています。
その理由は、コブとキアラの恋愛関係にありました。
ライオンキング2には、ジラというスカーを尊敬しているメスライオンが登場しますが、ライオンキング2を制作した当初は、コブはスカーとジラの間に生まれた息子という設定でした。
そして、コブは、劇中でシンバとナラの娘であるキアラと恋愛関係に発展するようになります。
この時、映画制作側は、ライオンキングはあくまでも「ライオン」の世界の物語なので、キアラとコブの関係に問題を見なかったのですが、映画を見る側のファンにとっては、キアラとコブの関係は気持ちが悪いものとして捉えられたのです。
その理由は、コブがスカーとジラの実の子であるという設定であると、キアラは血縁関係の近い、いとこ(はとこ)と恋愛をすることになるからでした。
ライオンの世界では、このようなカップルが誕生しても何も不思議なことはありませんが、ライオンキングを見るファンたちは、ライオンたちを擬人化して鑑賞しているので、「キアラとコブは血の繋がりがあるのにカップルになっている」と、不評を招くことになってしまったのです。
そのため、ファンの気持を組んだライオンキング制作側は、コブとキアラの血を分ける為に、「コブはスカーの実の子ではなく、養子だ」という設定に変更したのでした。
ライオンキング2の制作にあたったフリップ・コブラーは、以下のように述べていました。
In fact in the original draft, kovu was also Scars illegitimate son.
But that meant that he and Kiara were cousins.
And that didn’t play well in the Midwest.
The whole incest thing.
So Kovu was changed to Scars handpicked heir.
フリップ・コブラー
簡単に要訳すると、「オリジナルではコブはスカーの息子だったんだけど、キアラといとこ同士になってしまったことが、アメリカ中西部で受け入れられなかったんだ。だから、コブはスカーの養子という設定に変えた。」と言っています。
つまり、コブは当初、スカーとジラの間に生まれた息子としてライオンキング2に登場していたのですが、キアラとの血を分ける為に、スカーの養子という設定に変わっていたのでした。
「ライオンキング」のヌカもスカーの息子
ライオンキング2には、ヌカという子ライオンも登場します。
ヌカは、とてもクレイジーなキャラクターで、臆病で神経症を患うような性格をしていますが、ヌカはスカーとジラの実の子という設定に変わりはありません。
フリップ・コブラーは下のように言っています。
Nuka being the true son gave him a raging jealousy of Kovu.
フリップ・コブラー
簡単に要約すると、「実の子のヌカは、コブに凄まじく嫉妬したんだ。」と言っています。
つまり、ヌカは、スカーとジラの実の子なのです。
「ライオンキング」のスカーを父親とする子供は全部で3匹
これまでに、スカーには、実の子のヌカと、養子のコブという息子がいることが分かりましたが、スカーとジラには他にもう1人、ビタニという娘がいます。
ビタニも、コブと同じく、ジラの連れ子でスカーの養子という設定です。
スカーが父親であることを分かりやすくする相関図
スカー側の複雑な家族構成を含め、ライオンたちの家族構成を分かりやすく図にした相関図があるので、下に貼り付けておきます。
ちなみに、スカーとジラが婚姻関係にあるかどうかについては、下で詳しく解説します。
スカーはジラといつ結婚したのか
スカーとジラの間に、実の子にしろ養子にしろ、子供がいるということは、スカーとジラは結婚していることが考えられますね。
しかし、実際には、スカーとジラは結婚していません。
この設定については、フリップ・コブラーがヌカのことを「隠し子(illegitimate son)」と呼んでいることからも分かります。
スカーとジラが正式に結婚していたら、「隠し子」と呼ぶことはないでしょう。
ライオンキング「1」では、スカーは終始1人で登場します。
その後ライオンキング2に登場した時には、既にジラと子供たちがスカーの周りにいるので、「1」と「2」の間の時期に、スカーとジラは結婚し、子供を授かったと考えている方も多いかと思います。
しかし、実際には、スカーとジラが結婚したという設定はなく、スカーとジラの間に、真実の愛があるのかどうかも微妙なところなのです。
スカーは、ライオンキング「1」の後に、結婚はしていないものの、ジラとの間に子をもうけました。
ジラは、スカーを崇拝する信者レベルのライオンで、自分の子供をキングにする為に必死な様子が描かれています。
ジラがスカーに対して真実の愛があったかどうかは定かではありませんが、スカーが最も信頼できるメスライオンであったことには違いないでしょう。
スカーは、自分の跡取りとなる息子を必要としていますが、実の子であるヌカは、精神的に少し問題があることから、スカーの後続者としては不向きであると判断しています。
そこで目をつけたのが、コブ。
コブはもともとスカーの実の子という設定だったということもありますが、スカーは自分の跡取りにはコブが最適だと考えるようになります。
コブがスカーの養子であるという設定に変わった後は、ジラは自分の連れ子のコブをキングにする為にスカーに歩み寄った可能性も出てきているのでした。
まとめ
親子関係にあったスカーとコブを、養子関係に変更するとなると、物語が多少揺らいでしまいますね。
その為、混乱を招く結果となってしまっているようです。
スカーの実の子はヌカで、養子としてコブとビタニが存在しているのでした。