宮澤伊織先生の小説「裏世界ピクニック」 に登場する怪談「くねくね」について考察してきます。
裏世界ピクニックに登場するくねくねとは
裏世界ピクニックに登場するくねくねは「人間の眼球内の動く生き物」とされています。
裏世界にいる”何か”が人間の作りだした怪談や怪異の概念を利用して、わざと人間が怖がる事象に作り変えてその人間が見る世界に投影してるようです。
【裏世界ピクニック】くねくねの元ネタは本当にあった!?
登場人物である紙越空魚も語っていますが、くねくねには元ネタが存在し、ゲームにもなったりしていて、本当にあったのではないかとも言われています。
蛇の怪異譚のバリエーションの1つと言われていますね。
田んぼのある田舎での目撃情報が多いこともそれに拍車をかけています。
蛇は日本では豊穣の神として祀っている地域もありますし、案山子(カカシ)の語源である「カカ」の意味が蛇ということもあります。
名前の通り「くねくね」と動いている存在であって、白色や黒色だったという情報もあります。
そして近くではなく、田んぼや川の向こう側から眺めると見える存在とされています。
【裏世界ピクニック】くねくねを見るとどうなるのか
「見続ける」と「視界に入ってだけ」など色々解釈があるようですが…
最も有力なのが「くねくね」を遠くから眺める程度では問題ないそうですが、細部が見え何者であるか理解してしまうと精神に障害をきたしてしまうようです。
今まで健常者だった人が言語障害に陥ったり、知的障害になったり、最悪発狂したまま亡くなってしまった人がいるとかいないとか……
【裏世界ピクニック】くねくねの噂は本当?実在するのかについて
くねくねの噂は本当なのか、実在するのかについては色々議論されていますが、一番怖いのが多くなるネット怪談の中でも最初の発信源が1つに特定されている事例の1つであるということです。
その発信源を元に色々なバリエーションが創作されていったと言われています。
これが「くねくね」が本当にいるのではないかと言われる所以かもしれませんね。
個人的には時期が夏であることや遠くを眺めることから熱中症による幻覚症状の一種ではないかという説が一番しっくり来ています。
【裏世界ピクニック】くねくねに似た怪談
くねくねはネットオリジナル怪談と言われていますが、同じ構造・結末を有していると考えられている昔話と都市伝説があると言われています。
こんな晩(昔話)
「六部殺し」という日本の民話・怪談の別名です。
六部という巡礼僧を貧乏百姓が一晩泊めることになるのですが、その六部が大金を持っており、金欲しさにその晩、貧乏百姓は六部を殺しお金を奪ってしまいます。
貧乏百姓は裕福になり子供を授かるのですが、六部と殺した晩と同じような晩に子供の顔が殺した六部の顔になり、突然口をきき「お前に殺されたのもこんな晩だったな」と叫んだいうお話です。
その後の結末は貧乏百姓が頓死するや没落するなど諸説ありますが、「くねくね」と類似する部分というと「それが何者であるかと理解するとひどいことになる」でしょうか?
(個人的な考察となっています。)
あと状況が整うというところも似ているかもしれません。
(「夏の田んぼや川の向こう側」と「殺してしまった夜」)
「こんな晩」という別名は六部の顔となった子供のセリフが来ているようです。
お前だよ!(都市伝説)
怪談都市伝説である「お前だよ」もくねくねと似ていると言われています。
類似部分は「それが何者であるかと理解するとひどいことになる」だと考えられます。
この怪談都市伝説の概要は、
身籠った女が、生まれたての子供を駅のコインロッカーに捨ててしまいます。
数年後、その女が迷子と思われる子供に「お母さんはどこ?」と聞くと、その子供が「お前だよ!」と叫んだというものです。
「くねくね」と違って、この二つのお話は自業自得な気もしますが、前述したとおり同じ構造・結末を有しているとして例示されているようです。
知らなくてよいことは世の中にあるみたいな解釈や「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」というニーチェの言葉も近いものがあるかもしれませんね。
(これも個人的な意見です!!)
まとめ
「裏世界ピクニック」は今後もたくさんのネット怪談が登場します。
ネット怪談を元に新たに創作された怪異たちですね。
「くねくね」はその最初に出てきた怪異でした。
しかしこの「くねくね」との遭遇はメインキャラクターである紙越空魚と仁科鳥子が彼女たちが裏世界と称する「理解の及ばない世界」で冒険を続けていく上での重要イベントとなっています!!
2021年1月よりテレビアニメ放送が決定している本作。
人間の登場人物たちは皆可愛いですが、登場する怪異たちはトラウマ級に怖いものもいます。
アニメ放送は深夜なので、怖くなって眠れなくなるかもしれません。
(映像化されるわけですからね……)
とはいっても、原作からのファンですしとても楽しみです!!
もう待ちきれませんね!!