ディズニーのアラジンには、悪い大臣ジャファーの肩にいつも止まっているオウムが出てきます。
このオウムの名前の由来や意味、また、種類や特徴についてまとめてみました。
アラジンのオウムの名前は?
アラジンに出てくるオウムの名前は「イアーゴ」といいます。
英語表記では「Iago」と綴ります。
アラジンのオウム・イアーゴの名前の意味と由来
イアーゴという名前は、実は古い歴史を持つ名前です。
遥か昔に遡ると、イアーゴという名前は、ヘブライ語の「Ya’aqov(ヤアコブ)」という名前が元となっています。
ヤアコブという名前は、「略奪者」とか「○○を押しのけて代わる者」とか、「かかとをつかむ者」という意味があります。
イアーゴのキャラを見ていても、「善」よりも「悪」の要素が強く、悪党大臣のジャファーと共に、隙をついて何かを奪おうとしているキャラクターですね。
しかし、「ヤアコブ」は、「イアーゴ」とは全く異なる名前であるような印象を受けます。
「ヤアコブ」の歴史
「ヤアコブ」という名前は、ヘブライ語で使われた後、ギリシャ語へ渡ります。
ギリシャでは、「Ιακωβος (ヤコボス) 」と呼ばれるようになります。
その後、「ヤアコブ」という名は、ラテン語としても使われるようになり、「Jacob(ジェイコブ)」と呼ばれるようになります。
「イアーゴ」という発音の仕方は、「ジェイコブ」のウェールズ語や、スペイン北部のガリシア語バージョンだったのです。
スペイン北部と言えば、中東にあたる地域であり、アラジンは中東を舞台にした映画です。
つまり、イアーゴという名前は、「ジェイコブ」の中東なまりな呼び方だったのですね。
アラジンのオウム・イアーゴのキャラクター
イアーゴは、映画アラジンの中で悪党大臣のジャファーの味方をしています。
ジャファーは、国王サルタンから国や富、娘のプリンセスを手の内に収めようとたくらんでいますが、イアーゴはそんなジャファーを手伝い、口も悪く態度も悪いです。
まさに、名前の通り「善から奪い取ろう」という姿勢が描かれています。
しかし、テレビシリーズ版では、イアーゴはいたずらっぽさを残しつつも、猿のアブーやアラジンと親しく交流する姿も描かれています。
また、イアーゴの元の名前である「ジェイコブ」という名前も、キリスト文化で使われており、聖書の中の正直者で暖かいジェイコブのイメージから、息子にジェイコブと名づける親が世界中にたくさんいます。
どうやらジェイコブ=イアーゴという名前は、悪者に与えられた名前ではないようです。
アラジンのオウム・イアーゴという名前の深い意味
イアーゴの語源であるヤアコブ(ヤコブ、ジェイコブ)は、キリスト文化の創世記に、ヘブライ人の族長として登場します。
そして、ヤコブは神と格闘した後、「勝利(イシャラー)」を「神(エル)」より得るので、「イスラエル」という国を建てることになりました。
イスラエルという国は、ヤコブが築いた国だったのです。
イスラエル人と言えば、今サイクルの世界中の人種の中で最も歴史が長い人種です。
前回の世界の終わりと世界の始まりを体験したと言われているイスラエル人を今日まで率いたのがヤコブということになります。
アラジンに出てくる猿のアブーは、「宇宙の叡智」という意味でした。
そして、イアーゴは今世界最初の人類を、前世界から持ち越した英雄と表現できます。
つまり、イアーゴという名前は、「暗闇(前世界の終わり)から光のかかと(今世界の始まり)を掴む者」という深い意味を持っていたのです。
つまり、イアーゴは単なるひねくれ者や悪いオウムではなくて、暗闇から這い上がる者の象徴としてアラジンに描かれていたのでした。
アラジンのイアーゴの種類と特徴
イアーゴは赤いオウムとして知られていますが、何というオウムの種類なのかを調べてみました。
イアーゴの種類
イアーゴは、赤い体で、手先としっぽに青い羽があります。
この模様から見てみると、イアーゴは、「ベニコンゴウインコ」という種類のオウムのようです。
手先としっぽが青いオウムは他にいませんでした。
しかし、オウムなのに、「ベニコンゴウインコ」という名前で、「インコなの?」と疑問に思ったので、インコとオウムの違いを調べてみたのですが、インコとオウムは、基本的に大きさの違いやカラフル度合いで区別されるのだそうです。
正式には、オウムはオウム目のオウム科で、インコはオウム目のインコ科だそうです。
となると、イアーゴは、正式にはインコであるということになりますね。
しかし、実際には、オウムとインコの区別があいまいな現実があるようです。
イアーゴの性格的特徴
イアーゴは、自分を過大評価している傾向があります。
小さくて特に何かをすることはあまりありませんが、ジャファーの肩に乗って、普段から偉そうにしています。
言うことも悪がかったことが多く、口も悪いうえに、よく叫んでいますが、では何かをするかというと、行動には出ないタイプです。
また、イアーゴは、よく怒っています。
赤い色の鳥であるというもの、この「怒り」と関係しているのでしょう。
そして、よくドジをふみます。
怒りのあまり、注意力が散乱しているので、どこかにぶつかったり、挟まれたりよくしています。
まとめ
アラジンに登場するイアーゴというオウムの名前は、暗闇から這い上がる者を象徴した名前でした。
また、度重なる言語の変化で、「ジェイコブ」という名前の中東なまりの呼び方が「イアーゴ」なのでした。
そして、種類はオウム?のベニコンゴウインコでした。