ハイキューの見どころの一つといえば、登場人物の心情の変化です。
認めていないところから、紆余曲折を経て、ライバルや同志を認めるストーリ丁寧な描写は、他の追随を許さない圧倒感があります。
数多ある心情描写の中でも、異彩を放つ組み合わせが「鷲匠監督」と「日向翔陽」。
今回の記事は、宮城の強豪校白鳥沢学園監督:鷲匠先生が、我ら烏野高校1年の日向翔陽を認めたのか?についてフォーカスしてみました。
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【ハイキュー】鷲匠と日向の出会い
©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
引用元:「ハイキュー」公式サイトより
バレーボール強豪チームの多い宮城県の中でも群を抜いて強い白鳥沢学園高校。
そこの監督を長年務め、全国大会常連校に君臨させている立役者:鷲匠鍛治(CV中尾隆聖)御年71歳。
バレーボールは「大きいものが強い」というシンプルなコンセプト。
選手の身長やパワーといった「個人」の力を最大限まで鍛え上げて強いチームを作るという信念のもと、全国大会常連校としての実績を確実に積んでいます。
そんな鷲匠監督率いる白鳥沢学園が、日向のいる烏野高校と対戦するのは、春高宮城予選の決勝戦です。
公式では、アニメ3期が鷲匠監督と日向の初対面だと思いますが、実は日向(と影山)は、2期1話で白鳥沢学園と初対峙していたと思われます。
部活練習での坂道ダッシュ(田中いわく「ハートブレイクヒル」)にて、変人速攻コンビの日向と影山がダッシュ競争をしていると、気づけば白鳥沢学園近所まで走ってきていたエピソードです(笑)
そこでたまたま出会った白鳥沢の絶対的エース:牛島若利についていって敵場視察をするシーンです。
ここでは、牛島と影山・日向とのやり取りのみが描かれています。
しかし、きっと体育館の中から鷲匠先生は日向を見ていたのではないでしょうか。
監督というのは、選手の動向もきちんと見ているもの。
なので、非公式ではありますが、鷲匠監督と日向の出会いは、2期1話における、変人速攻コンビの白鳥沢偵察シーンと言えるかもしれません。
【ハイキュー】鷲匠の日向に会うまでの信念(3期まで)
鷲匠監督の、バレーボールに対する信念は、シンプルイズベスト。
才能のある選手を集めて、個人の力を最大まで高める。
いわゆる足し算の考え方です。
たとえ問題児であっても、その個人の持つ武器が強ければ、鷲匠監督は採用します。
バレーボールにおいての強さの象徴である「高さ」を追い求める姿勢は、自身のコンプレックスからくるものなのでしょう。
鷲匠先生は学生時代からバレーボールに携わってますが、選手時代はほぼ活躍がなかったのです。
理由は、バレーボール選手にとってウィークポイントとなる「背の低さ」。
背が低いというだけで、コートに立たせてもらえない、戦うスタートラインにすら立てない。
今と違って40年も前となると、技術やチームワークよりもまず「高さ」を重視、求められる時代だったのでしょう。
多感な青春時代に苦すぎる辛酸を嘗めた、鷲匠少年は、小さな体で強くなるよりも、シンプルな強さである「高さ」「パワー」を求めたのです。
この経験が、名監督:鷲匠の信念を作り出した基礎であり、白鳥沢を強豪校たらしめる所以なのです。
【ハイキュー】鷲匠は日向をどう思っているのか考察(白鳥沢戦時)
「大きいものが強い。それが自然の摂理だ」。
試合を、日向を見ながら鷲匠先生はつぶやきます。
圧倒的強豪校の白鳥沢が、地に落ちたと揶揄されて久しかった烏野に、春高予選決勝戦では苦戦を強いられているのです。
自分たちと比べてまだまだ未完成なチーム。
発展途上で、定石の裏をかくプレイの数々。
特に目に付くのが、かつてのコンプレックスの具現化のような、日向の存在です。
かつての鷲匠少年がなす術なく諦めた、小さな体で戦うという姿が、彼の視線のを横切ります。
嫌でも目につきますよね。
圧倒的体格差の牛島からの容赦ない攻撃にもめげず、果敢に立ち上がる日向の姿はきっと、鷲匠先生にはまぶしくて直視したくない存在です。
「俺は、俺の40年を懸けて、烏野10番、お前を否定したい」
かつての自分の姿を重ね、それでもなお自分の選択を否定したくない鷲匠先生の心からの願いが、この言葉にすべて集約されているといっても過言ではありません。
【ハイキュー】鷲匠は日向をどう思っているのか(疑似ユース合宿時)
春高本戦前に、宮城県内の将来有望な1年生を集めて「疑似ユース合宿」なるものが開催されました。
その場に呼ばれなかった日向は、おしかけ女房的に無理やり合宿へ潜り込みます。
その場にいた鷲匠監督は、「ボール拾い」として合宿への参加を黙認しました。
口では、影山というセッターがいない日向には価値を感じない、という鷲匠監督ですが、そもそも招集されていない選手です。
追い返そうと思えば簡単に出ていかせられたでしょう。
それを、球拾いで合宿へ置いといたのは、鷲匠監督が、日向の今後の成長を見てみたいという心理の現れです。
春高予選決勝後に、鷲匠監督は日向のことを「茨の道」と表現しています。
疑似ユース合宿への日向の参加は、自身が茨を歩まなかった過去の振り返りなのだと感じました。
【ハイキュー】鷲匠監督が日向を認めるのかどうかを考察
鷲匠監督は、日向を1人の有能なバレーボール選手として、認めるのでしょうか?
個人的には、鷲匠先生は日向を認めていると思います。
3つの理由についてまとめてみました。
鷲匠監督が日向を認める理由1:春高予選で烏野に負けたから
烏野前監督と鷲匠監督は古い付き合いからか、お互いのチーム作りの傾向は互いに熟知しているようです。
それでもなお、この年の烏野高校の躍進は、鷲匠監督にとってはまさに青天の霹靂だったことでしょう。
自分と同じぐらいの体格の日向が最前線で戦力として戦っている。
その烏野高校に敗北した。
これまで数々の実績を積み重ねてきた名監督として、監督業をしているものとして、認めざるを得ないでしょう。
鷲匠監督が日向を認める理由2:日向の強さを見たから
鷲匠監督は、自分がなしえなかった「強さ」を日向に見せつけられました。
それはきっとまぶしすぎて目を背けたいものだったでしょう。
時代や環境の違いはあれど、自身の身体的な劣等感を前に進む原動力とした日向のプレイや姿勢は、見続けるうちにもはや認めざるを得ないものに、鷲匠先生の中では大きくなっているに違いありません。
日向の技術力もまた、鷲匠先生は認めざるをえないでしょう。
鷲匠監督が日向を認める理由3:上記二つを総合的に分析し、今後チームをレベルアップさせるための材料にするから
白鳥沢学園高校を全国の強豪校に育て上げた手腕をもつ鷲匠監督です。
自分の過去とも向き合い、目にしたプレイをあますことなく次の対策を講じるはずです。
日向の不屈の精神や、彼独特の強さを認め、そのうえで自分のチームへの糧とするのではないでしょうか。
監督業とは大変なものですが、鷲匠監督なら、自分の育てるチームのために、自分の価値観さえ変えると思います。
つまり、高さが全てのバレーボールという古い固定観念を取っ払い、そのきっかけとなった日向を、鷲匠監督は認めていると思います。
まとめ
名監督にして、ある意味では日向のよき理解者である鷲匠監督。
日向が高校卒業後も少なからず関わりが出てくるようです。
アニメ、本編ともに目が離せません。
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