「ジョナサンふたつの顔の男」という映画が日本公開になりますね。海外では2018年秋ごろには公開していました。この映画、サスペンスではありませんが、結末に意外な事実が明かされます。生きるということを深く考えさせられる映画でした。意外な結末と、内容のネタバレをまとめたいと思います。
ジョナサン(アンセル・エルゴート)とはどんな人?
主人公のアンセル・エルゴート演じるジョナサンは、2重人格の男です。
ナリマン博士に施術を施されていて、脳にタイマーが埋め込まれています。
このタイマーで、12時間は真面目で几帳面で、潔癖で優秀なジョナサンとして人生を生きます。
残りの12時間は、自由な感じで、ジョンという名前にしていますが、昼間のジョナサンとは正反対の性格です。
ジョナサンとジョン、実は1つの体に生まれてきた双子の兄弟だったのです。
2つの全く異なる人格が1つの人間の体を使っており、周りに人にバレない様にうまくやる必要があります。
そこで、彼ら2つの人格が使っているのが「ビデオカメラ」。
彼ら2つの人格は、お互いにビデオメッセージを相手に残し、情報を共有することで1人の人間として生きているのでした。
ジョナサンは仕事で優秀さが認められ、大きなプロジェクトへと声がかかるのですが、彼は12時間しか彼として生きることができないので、貴重な時間を全ての時間に回せるように断ります。
仕事への時間を増やす訳にはいかないのです。
ジョナサンふたつの顔の男のネタバレ内容
ジョナサンとジョンの異変
今まで隠し事なしに、自分についての情報をなんでも共有してきた2人でしたが、ジョンがジョナサンに何かを隠すようになります。
ジョナサンは体が疲れやすくなった理由についてジョンに尋ねますが、ジョンは特に何もないと言います。
博士のところで体を調べてもらいますが、年齢を重ねているだけだと言われます。
ジョナサンはある日、ズボンのポケットの中にバーのナプキンが入っていたことに気がつきます。
何でも話してくれていると思っていたジョナサンは、ジョンが隠し事をしていることにショックを受けます。
ジョナサンはジョンに真実を聞き出そうとしますが、ジョンはハッキリ向き合ってくれないので、ジョナサンはジョンに不審感を抱くようになります。
自分の尾行
真実を知ることができないジョナサンは、探偵に頼んで自分自身を尾行するように頼みます。
探偵は、ジョナサンが彼女の浮気を疑っているのかと思っていますが、ジョナサンは尾行のプロと話して初めて、ジョンにエレナという彼女ができたことを知るのでした。
ジョナサンは自分でその「彼女」について知ろうとします。
探偵に渡された写真を見て彼女を尾行して探るのでした。
エレナの尾行中、ジョナサンはエレナに気がつかれてしまいます。
当然ジョンとジョナサンを同じ1人の男だと思っているエレナは、ジョナサンにキスをします。
ジョナサンは、エレナに会ったことをジョンには伝えませんでした。
そのことでジョナサンとジョンの関係はますます悪くなっていきます。
でもビデオのやり取りは続けています。
ジョナサンは、ジョンにエレナと別れるように言います。
それができなければ、自分たちのことをばらすと言います。
ジョンはしぶしぶエレナと別れることにしたのでした。
ジョナサンとエレナの始まり
ジョンはエレナと別れますが、納得できなかったエレナはジョナサンの家を訪ねてきます。
そしてジョナサンは、正直にジョナサンとジョンの秘密を明かします。
ですが、エレナは病院(精神的な)へ行けと言い、ジョナサンの言うことを信じませんでした。
連絡が途絶える
今まで毎日かかさず会話をしていたジョナサンとジョンですが、エレナとの別れをきっかけに、ジョンがビデオメッセージを残さなくなってしまいます。
博士に相談しましたが、ジョンには時間が必要だと言います。
ジョンはビデオメッセージを残さなくなっただけではなく、役割分担をしていた仕事もしなくなり、冷蔵庫に準備して置いたご飯も食べなくなります。
1週間もの間、ジョンと連絡が取れなくなったジョナサンは、エレナに事情を説明しに行くのでした。
ジョナサンとジョンの生まれた状況、今まで様々な医者にかかったことなど、分かってもらおうと努力したジョナサンなのでした。
エレナは渡された資料に目を通し、後日ジョナサンを訪ねます。
そして、ジョナサンとジョンのことを理解していくエレナなのでした。
エレナとデートを始めるジョナサン
エレナに恋をしたジョンの気持ちを思うこともあり、また、理解を示したエレナに心を開いていくこともあり、ジョナサンはエレナとデートを始めます。
それがデートだとは知らずに、エレナと出かけるジョナサンなのでした。
そして、ジョンに何て言えばいいか分からず、ビデオカメラメッセージを始めて残さずに眠ります。
すると、初めてビデオメッセージを残さなかったジョナサンを心配して、ジョンが久しぶりにビデオメッセージを残したのでした。
エレナに恋をしたジョナサン
ジョンと連絡が取れなくなったことが原因で、ジョナサンはエレナと会うことを「念のため」続けていたのですが、ジョンから連絡がまた取れるようになったことで、ジョナサンがエレナに会う理由はなくなりました。
ですが、ジョナサンはエレナに恋しており、「寂しくなる」と言います。
そして二人は体の関係を持つのでした。
ジョナサンは、エレナとのことをジョンに正直に伝えます。
ジョンはそれについて「良かったね」と喜ぶ姿でメッセージを残しているのでした。
ジョナサンの嘘
エレナとは終わりにしたジョンとジョナサンでしたが、実は、ジョナサンはエレナと続いていました。
エレナと交際し始めたジョナサンは、明るく柔らかくなり、大きなプロジェクトにもチャレンジします。
全ては順調かと思いきや、ジョンがジョナサンとエレナの関係を知ることになります。
ジョンは怒りのメッセージを残し、ジョナサンはジョンがうらやましかったとメッセージで謝ります。
ここのところのトラブル続きのジョナサンは仕事も失い、エレナに別れを告げることになり、ジョンは自殺を図るのでした。
死にたいジョン
ジョナサンとジョンは、博士の元にお世話になることになります。
ジョンは1人で生きることができない状態です。
辛い時に兄弟のジョナサンと一緒にいることもできず、彼女を作ることもできず、ジョンは辛いようです。
ジョンは自殺を図ろうとしますが、ジョナサンを殺す訳にはいかないと言います。
そして、ジョナサンに自分を無くすようにメッセージで伝えるのでした。
ジョンは毎日毎日死ぬことばかりを考えています。
ジョナサンは何とか死なないようにしようと努力をします。
ジョナサンふたつの顔の男のネタバレ結末内容
死にたいジョンを同じ体内に持つジョナサンに、博士は衝撃の事実を伝えます。
それは、「ジョナサンがこの世を去ることになる」ということでした。
博士は、今までずっと、ジョナサンが陽性で、ジョンが陰性だと思っていました。
だから、ジョナサンが昼間を生き、ジョンが夜を生きていたのです。
しかし、ジョンが死にたいと思ったことで、二人に設定してあった「12時間」にずれが生じ始めていたのです。
ジョナサンは、朝7時から夜7時までを担当していましたが、その時間の始まりが、7時1分、7時2分、7時3分とずれてきていたのです。
博士は、その原因はジョンに陽性の力があり、彼の情熱が変化を起こしているのだと伝えます。
選択肢は2つ、ジョナサンが体を去るか、それとも2人とも死ぬか。
メインの光の時間を生きてきたジョナサンには、少しずつ存在できる時間が減り始め、サブの夜の世界を生きてきたジョンには、少しずつ存在できる時間が増えているのでした。
ジョナサンが存在できる時間はやがてなくなり、この世を去ることになるのでした。
「ジョナサンふたつの顔の男」映画の感想
とても興味深い映画だなと思いました。
この映画ジョナサンは、今私たちの世界に起こっていることをそのまま表現していると思いました。
この映画では、光だと思ってリードしてきたジョナサンが実は闇で、姿を消すことになります。
私たちの世界も、今まで正しいと思ってきた社会的指導者が実は闇で、今後光である私たちが世界をリードするようになっていきます。
ですが、光も闇も、結局1人のジョナサン(ジョン)ですね。
私たちも結局、光と闇がある地球ですね。
どちらが悪いとか、正しいとかそういうお話ではなく、月が満ちかけするように、私たちの意識が覚醒していくように、ただ自然の変化がそこにあるというだけなんですけれどね、この映画はそれを簡単に表現しているなと思いました。
でも、今私たちの住む社会に何が起こっているかをそのまま表現すると、闇の指導者たちが暴れて危険な可能性もありますから、1人の人間の二重人格の話としてまとめているところが、さすがだなと思いました。